[故植田正治さんが撮った福山雅治のCDジャケットです。鳥取砂丘で撮影されたものです。この空の色が好きで、高校生の頃ずっと飾っていました。確かこの色は加工してないと言っていたような…。]
カメラというと思い出すのが中学生の時の体育祭。幼稚園の頃から父親が望遠レンズを付けた一眼レフを持って見に来てくれていました。父親は平日は仕事が忙しく、私達が寝た後に帰ってきて、起きる前には家を出ていたし、休日になると兄の少年野球のコーチをしていたこともあって、1番遊んで欲しかった時期にあまり遊んで貰えませんでした。なので「私の」行事に参加してくれることがとても嬉しかったのを覚えています。
ところが、中学生になって初めての体育祭の時、今までと同じように来てくれた父親を見た同級生の男の子に「おまえのオヤジ、カメラ小僧みたいなカメラ持ってすごいな。」と笑われ、それまでの自分の父親に対する思いが恥ずかしく思えたのと、父親をバカにされた気分で何と表現したら良いのか分からず、その思いを同級生ではなく父親に怒りとしてぶつけてしまいました。今思えば他のおうちのお父さんも同じ様な出で立ちで見に来ていたので、気にすることなんて何もなかったのに。当時は一応私も思春期の女の子、ひどく父親に嫌悪感を抱いてしまったのでした。
翌年、またもカメラを押し入れから出そうとしている父親を見て私は「二度と学校に来るな!」と言ってしまい、父親はそれ以来本当に私に関する行事に参加してくれなくなってしまったのでした。私の言葉に悲しそうな顔をしてTVを見つめたまま「じゃあ、もう行かないよ」と言った父親の顔を今でも覚えています。
20歳を超えてからは二人で出かけたりすることが多くなり、懐かしい笑い話になったけれど、カメラを持っているおじさんを見かけると未だに少し胸がチクチクしてしまいます。そんな私も結局カメラに興味を持ち始め、技術は全くないけれどカメラを少しずつ買ってみたりしています。
そう、なんでこんな話を思い出したのかというと、先日の「情熱大陸」でこの福山雅治のCDジャケットが紹介されていたからです。って、彼がおじさんというワケではありません(念のため)